天空図書館

個人総合サークル「天空図書館」のブログです。

探偵沢崎の足跡を追う(1) - 「そして夜は甦る」編

※本記事は作品のネタバレを大量に含みます。

 

創作系の趣味を持ちながら、実を言うと私は小説を含めて読書の趣味、習慣はありません。そんな中で数少ない、というかほぼ唯一の愛読書が原尞の「探偵沢崎シリーズ」で、長編全5作と短編1作は折に触れて繰り返し読み込んでいます。

大まかな内容はほぼ全て頭に入っていますが、特に長編は内容量が多く細かい部分まで俯瞰的に読みながら把握しているわけではありませんでした。そこで今回、各巻の内容を改めて時系列順に整理しようと思い立ちました。そういう趣旨のため、当然ですが記事内には作品のネタバレを大量に含みます。予めご了承の上お読みください。

今回は長編1作目「そして夜は甦る」です。2作目以降は順次作成していきます。また、作品を読みながら手で整理しているため、誤りを含む場合があります。気づいた範囲で適宜修正していきます。

そして僭越ながら、今年の5月に病気により死去した原尞さんのご冥福をお祈りいたします。

 

<1976年>

 佐伯直樹が朝日に入社

 諏訪雅之が射撃の全日本選手権でエアピストルで優勝・スポーツピストルで準優勝

 諏訪雅之が銃の暴発事故で人差し指を失う(※)

 佐伯直樹が諏訪雅之に取材(予定、その後暴発事故により取り止め)

 モントリオールオリンピック

 

 (※都庁での向坂晨哉との会談の中で8年前と言われているため、1978年頃の可能性もある)

 

<1979年>

 諏訪雅之が渡米

 

<1982年>

 佐伯直樹が名緒子にプロポーズ

 3日後、名緒子が神谷惣一郎と産婦人科から出てくるのを佐伯直樹が目撃

 5日後、名緒子がプロポーズを受け入れる

 大庭照雄が国際映像の警備係を退職、鄭允泓が向坂プロを退社

 

<1982or1983年?>

 曽根善衞が東神を退社

 向坂晃司と更科頼子が口論、後に和解

 

<1984年>

 年の暮れ、諏訪雅之が帰国、脳腫瘍で余命診断

 

<1985年>

・6月

 葛城りゑ子(桂木利江)が勝間田に白いギャランを買い与える

 

・7月2日(火)?…投票日の10日ほど前

 都知事候補の向坂晨哉のスキャンダルに関する怪文書が出される

 

・7月10日(水)

 諏訪雅之が離婚した妻宛に1億4千万円以上の慰謝料を払い込む

 

・7月12日(金)

 立川駅前で向坂晨哉が演説中に狙撃(偽装)される

 溝口宏が現場から逃走、車で浅川に転落し死亡

 その途中に諏訪雅之が車から脱出して逃走

 

・7月13日(土)

 溝口宏の転落現場の二度目の捜査でルガーP08を発見(偽装、もう一梃のルガー)

 

・7月14日(日)

 都知事選の投票日

 諏訪雅之が府中第一病院に入院

 

・7月15日(月)

 諏訪雅之が府中第一病院を無断退院

 

・7月17日(水)or18日(木)

 諏訪雅之が海部雅美のバーを初めて訪れる

 

・7月28日(日)

 海部雅美が店の前で倒れていた諏訪雅之を連れ帰る

 

・8月末頃

 諏訪雅之が小料理屋で佐伯直樹に初めて対面、その後マンションまで尾行する

 諏訪雅之が海部雅美に自らの記憶喪失について打ち明ける

 

・日時不明

 諏訪雅之が佐伯直樹に自らの記憶喪失について打ち明ける

 

・11月19日(火)

 佐伯直樹が曽根善衞らに1億円を要求

 

・11月20日(水)

 午前中、佐伯直樹が神谷惣一郎と曽根善衞との会談を目撃(佐伯直樹は一億円の受け渡しと認識)

 佐伯直樹が電話で韮塚弁護士に翌日の離婚と慰謝料について告げる(会話は録音済み)

 19時頃、佐伯直樹がサウス・イーストを訪れる

 22時頃、佐伯直樹のマンション前で佐伯直樹と佐伯名緒子が会話

 その後、佐伯直樹と諏訪雅之は佐伯直樹のマークIIで調布から府中付近を走行

 

・11月21日(木)

 13時頃、佐伯直樹が錦織警部に電話し探偵の紹介を依頼、錦織が渡辺探偵事務所を紹介する

 14時頃、佐伯直樹がルナ・パークで辰巳玲子と会い5千万円とプレゼントについて語る

 その後、佐伯直樹が更科頼子と車内で20〜30分ほど会談

 その後、佐伯直樹が曽根善衞らに拘束される

 佐伯直樹が渡辺探偵事務所を訪れる(予定だった)

 佐伯直樹が曽根善衞らから1億円を受け取る(予定だった)

 20時頃、佐伯直樹が更科邸で名緒子と正式に離婚する(予定だった)

 

・11月22日(金)

 4時頃、諏訪雅之が海部雅美の家に帰宅

 辰巳が錦織警部に電話

 

・11月23日(土)

 府中第一病院の朝倉が佐伯直樹宛の手紙を書く

 渡辺が事務所近くを訪れ紙ヒコーキの手紙を投函

 

・11月25日(月)エジプト航空機ハイジャック、千代の富士九州場所優勝の新聞記事より

 10時頃、諏訪雅之が渡辺探偵事務所を訪れ22万円を預ける

 その後、韮塚弁護士より電話で翌日正午に更科邸へ来てもらいたい旨の連絡

 諏訪雅之が佐伯直樹のマンションを訪れ偽刑事(伊原勇吉名義、本名鄭允泓)を射殺、もう一人の偽刑事(奥村禎二、本名大庭照雄)により身柄を拘束され、国際映像へ移動

 

・11月26日(火)

 正午頃、沢崎が更科邸を訪れ佐伯直樹の失踪について聞かされる

 午後、諏訪雅之が佐伯直樹のマンションを訪れる

 14時半頃、佐伯名緒子と共に佐伯直樹のマンションを訪れ偽刑事(鄭允泓)の死体を発見する、未現像のフィルムを回収

 16時半頃、新宿に戻って写真の現像を依頼、府中第一病院から佐伯直樹宛の手紙を読む、カイフマサミのリストを作成

 その後、新宿警察署を訪れ錦織警部と会談

 その後、サウス・イーストを訪れ辰巳と会談

 その後、公園で辰巳玲子と会談

 19時15分頃、電話応答サービスに名前を言わない人物(おそらく曽根善衞)から問い合わせ

 20時頃、橋爪が事務所を訪れる

 20時半頃、事務所に女(桂木利江)が侵入しカイフマサミのリストを盗む

 22時前、沢崎が事務所に戻り橋爪と会談

 その後、佐伯名緒子に電話

 24時過ぎ、上北沢の海部正美のアパートを訪れる、ナイトウユミを寮まで送り届ける

 25時過ぎ、海部雅美に電話

 その後、海部雅美宅で会談

 その後、海部雅美宅にかかってきた電話で沢崎が男(曽根善衞)と会話

 27時半頃、事務所に戻り渡辺からの手紙(白いギャランのナンバー)を読む

 28時頃、アパートに帰宅

 

・11月27日(水)

 8時半頃、錦織警部から電話

 その後、仰木弁護士に電話

 10時頃、ハリー・ライムで佐伯名緒子と会談、中野署の刑事と接触

 11時15分頃、更科頼子と会談

 12時頃、神谷惣一郎と会談

 その後、佐伯名緒子と現像した写真を確認

 13時頃、X氏(曽根善衞)との待ち合わせ(予定)

 その後、早稲田松竹で曽根善衞らと会談

 佐伯直樹のマークII新青梅街道で発見される

 15時過ぎ、錦織警部と勝間田宅で訊問

 16時過ぎ、新宿署の刑事が東神本社を訪れるも、長谷川秘書は退社済み

 19時頃、向坂邸で向坂晨哉、向坂晃司、榊原らと会談

 同、大庭から榊原に諏訪雅之の身柄を金で引き渡す交渉の電話

 21時半頃、佐伯名緒子に電話

 その後、海部雅美に電話し警察の監視が付いたことを告げる

 22時頃、韮塚弁護士から佐伯直樹との電話の録音を聞く

 その後、錦織警部からの電話で諏訪雅之の素性を聞く

 その後、新宿署の田島主任のパトカーに同乗し勝間田を追跡

 その後、弥生町のマンション前で桂木利江を逮捕

 24時頃、中野YSビルで曽根善衞と野間徹郎らを逮捕、佐伯直樹の身柄を確保

 同、神谷惣一郎から事務所宛に電話(応答サービスに伝言)

 その後、国際映像で銃撃、榊原が大庭を射殺、神谷惣一郎を銃撃、諏訪雅之が鄭と榊原を射殺

 その後、拘束されていた諏訪雅之が国際映像を脱出

 25時頃、新宿署で取り調べ、狙撃事件の調書を閲覧

 同、海部雅美が警察の監視を振り切って行方不明に

 25時過ぎ、長谷川秘書が国際観光ホテルで逮捕

 26時頃、国際映像で瀕死の神谷惣一郎、榊原らの死体を発見

 27時過ぎ、神谷惣一郎が救急病院に収容

 

・11月28日(木)

 時刻不明、事務所の前で渡辺が佐伯名緒子と対面

 5時半頃、事務所に戻り佐伯名緒子を医療センターに送る

 夜、佐伯直樹と名緒子が離婚

 その後、事件の全容を説明

 

・11月29日(金)

 更科頼子が出頭

 13時頃、錦織警部と都庁で向坂晨哉と会談、狙撃事件の全容を説明

 

・12月6日(金)?

 諏訪雅之がブルーバードに乗り込み、事件のあらましを語る

 

・日時不明

 更科修蔵が東神の相談役に復帰

 更科頼子が保釈

 

・12月10(火)?…クリスマスまで二週間

 諏訪雅之が向坂晨哉、向坂晃司を狙撃、向坂晨哉は死亡、諏訪雅之も銃撃され死亡

 

<1987年>

・日時不明

 19時頃、佐伯直樹から電話、フィリップ・マーロウについて語る